現在、北九州市で北九州国際ビエンナーレが開催されています。いろんな大都市で大々的にやっているビエンナーレを北九州でもやってしまおう、という試みで、今回が第2回。通常のビエンナーレに比べて低予算・アバンギャルド・アンダーグラウンドな試みです。
「北九州国際ビエンナーレ2009」
ビエンナーレの一環として10月31日(土)夕方5時より映画上映+トーク
「中国ドキュメンタリー映画の現在」を行います。映画の選定は主にぼくが行い、トークにも出席します。以下の3つを取り上げます。
自由城的囚徒・・・・胡佳(フージャー)監督・撮影、曾金燕(ツァオジンイエン)出演
女人50分鐘・・・・・石頭(シートウ)監督、明明(ミンミン)撮影
排骨・・・・・・・・・・・・劉高明(リュウガオミン)監督
「排骨」は東京などでも上映されたことがありますが、「自由城的囚徒」「女人50分鐘」は日本初公開ではないかと思います。特に「自由城的囚徒」は今回のビエンナーレ以外では通して流すことの困難が予想される作品です。このような機会を下さった関係者の方々にお礼を申し上げます。
ぼくはこれまで中国の少なくない映画・アート・文学作品を日本で紹介しましたが、「日本の人が見てどう思うかを知りたい」と切に思う上で「自由城的囚徒」の曾金燕は最上クラスに属します。日本人にどう思ってもらえるかを切に知りたがっている作品をぼくとしても紹介したく、それが今回この作品を真っ先に選んだ理由の一つです。夫である胡佳は現在獄中にあり、曾金燕自身も今なお監視され続ける日々です。
中国のドキュメンタリーや現代アート作品は無検閲であることからしばしば「反体制」もしくは「抵抗」のニュアンスを表出しますが、実際に反体制や抵抗の意図で作られるものは限られており、何度か上映会に足を運ぶ中でそのことが理解のギャップになっていることを感じています。無検閲と「反体制」との関係は新書でも触れていますが、理解する上では中国の反体制作品がどういうものかを知っておくことも大切かと思います。アンダーグラウンドなビエンナーレである北九州国際ビエンナーレで紹介する映画としてもふさわしかろうと考えました。
北九州、福岡、山口、熊本、佐賀、大分あたりにご在住でお時間のある方のご参加をお待ちしております。
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本の宣伝です。ご一読くださればありがたいです。
反日、暴動、バブル 新聞・テレビが報じない中国(光文社新書)
26日にサーチナで書評が掲載されました(ヤフーも)。ありがとうございました。
サーチナ
ヤフー(書評文はサーチナと同じです)