食事日記
21日
朝食7時半・・・K962列車
メンバー:方さん、河南女子大生
(ゆで卵・牛乳・カロリーメイト1箱)
昼食12時・・・谷城県の農家
メンバー:方さん一家(出稼ぎ中の妻を除く4人)、河南女子大生
(豚肉とピーマン炒め、きくらげと豚肉炒め、レンコン・豚肉スープ、豆、酸辣豆腐、もやし炒め、セロリ炒め、白酒2杯、ご飯0・5杯)
夕食19時・・・谷城県の農家
メンバー:方さん一家、河南女子大生
(豚肉とピーマン炒め、きくらげと豚肉炒め、レンコン・豚肉スープ、セロリ・ハム炒め、豆、太麺少々)
谷城県泊
・・・・この日から湖北省北部の山間部です。ちょうど茶の収穫の時期でした。省北部の一部エリアだけで流通している緑茶ですが、近頃は値を上げていてなかなかの人気だと地元では誇らしげに言います。中国では先進的な無農薬栽培です。
標高が高いからか、この日から雨交じりで低気圧が停滞したからか、それとも快適な田園生活で妙にリラックスしてしまったのか、この日を境に頭痛・歯痛・下痢の体調不良が始まりました。最初はそうでもなかったのですが、再会の喜びについつい白酒を飲み干すことでじわりじわりと悪化していきます。もちろん、気をつけているつもりなのですが。
22日
朝食7時半・・・谷城県の農家
メンバー:方さん一家(母親除く)、河南女子大生
(卵、レンコン・豚肉スープ、白米)
昼食12時・・・谷城県の農家
メンバー:方さん一家、河南女子大生
(卵とピーマン炒め、ブタじゃが、レンコン・豚肉スープ、ニンニク芽炒め、セロリ炒め、白酒1杯、ご飯1杯)
夕食19時20分・・・谷城県の農家
メンバー:方さん一家、河南女子大生、村の実力者ミンさん
(豚肉とピーマンとトマト炒め、ピーマンと豚肉炒め、冬瓜スープ、もやし・ニンニク炒め、キュウリー辛煮、白酒1杯)
谷城県泊
・・・・この日は山登りをします。観光化ができるかどうか、地元で検討されている百日山という山です。近くに道教の聖地として名高い武当山があるのですが、地元の言い伝えでは真武大帝が武当山に入山する直前に、この山で百日間こもって修行したと言われます。
観光地化するためには便利にならなくてはいけませんが、一方で中国にありがちな乱開発を食い止める、なるべく自然のままを残しておく少しの開発をしていきたいと言っています。このような自然がまだまだ残っていることはありがたいことです。ここに住まないかと言われたのですが、将来の課題としておきましょう。湖北省や四川省あたりの農村で暮らすことは夢でもあります。中国に住むならこのあたりがいいですね。
23日
朝食7時・・・谷城県の農家
メンバー:方さん一家(母親除く)、河南女子大生
(粥、鶏肉・冬瓜スープ)
昼食12時45分・・・襄樊市襄陽の紅鼻子酒店
メンバー:北京緑十字・孫君さん、孫君さんの地元友人の弁護士
(白菜と肉団子のスープ、空心菜炒め、ブタ頭ダック、牛のハム、白米)
夕食18時45分・・・襄樊市樊城の公園内の食堂
メンバー:孫君さん、弁護士の友人ほか孫君さんの地元の仲間5人
(川魚激辛煮、大根と豚肉のスープ、にら卵、地元伝統のナン、ニンニクの芽炒め、血豆腐、ほうれんそう炒め、こんにゃく炒め、玉米粥、白酒1杯)
CA1386の機内軽食・ハムバーガーは食べずに持ち帰る。
夜食0時30分・・・北京市六鋪炕の粥店
メンバー:映画プロデューサー・朱日坤さん
(野菜粥・きくらげ炒め、龍井茶)
北京泊
・・・本当は百日山のふもとの田園に一カ月も二カ月もいたいところ(夕餉の煙の立ち昇る夕暮れ時、愉しい夕飯までもう少しの薄暮の空を仰ぎつつ、地元の詩人・孟浩然たちの詩を読んでいる刹那は生きていてよかった思いをさせられます)なのですが、体調不良もあって東京の病院の予約をし、帰国に向けて動き始めます。中国では一般に病気の客人に対して普段以上の丁重な扱いをしてくれるのが常で、ことに農村はそうですから、ぼくの体調不良の様子を申し訳なさそうに見つめる彼らに対して、なんとも済まない思いでいっぱいでした。けっしてこの村の食事が合わなかったのではないことを繰り返し伝えます。
農民の人に素朴な情があふれている面は確かにあります。都会ほど表現や感情の発揮の仕方に変な修辞学や駆け引きや裏読みがないことがそうで、たとえばぼくは方さんに「帰省はうれしいか」と尋ねたことがあったのですが、「帰省を喜ばない人はいるのか」といとも簡単に言ってのけられるのは圧巻でした。
北京へは襄樊から飛行機で行くので、襄樊に立ち寄り、拙著でも紹介した孫君さんと会いました。もともと画家である彼はプロジェクトを手掛ける村を題材に絵を描き、無料で村に寄贈しています。オーソドックスな油絵ですが、そのたくましさ、健康さがとても好きです。中国にもいろいろな生き方の画家がいます。