バレンタインデーと言えば、この日が来るのが嫌でいかにして学校をさぼろうかと画策していた時もあった。子供を強引に
(1)目立っていてモテる子、(2)目立たずモテる子、(3)目立っていてモテない子、(4)目立たずモテない子、の4パターンに分けるとすれば、この日が最も苦しいのは(3)で、ぼくは(3)だった。どうせモテないのであれば目立たない方がいいのに、あちらこちらから人が寄って来ては「麻生はやっぱりゼロだな」などと言われ、からかわれるものだから堪らない。そう言われた時に悔しがるのも照れくさいし、かと言って無関心を装うと「あいつはヒガんでるんだな」などとも揶揄される。また、登校してからの行動の仕方も肝要で、下駄箱を開ける時、机の中を触るときも普段そうであるような自然な格好を心がけねばならず、そう思えば思うほどぎこちなくなってやりきれなかった。
そんなわけでサボることも考えたわけだが、サボったらサボったで「どうせ貰えないとわかっているから来ないんだな」などとも言われかねず、わざと2日前から体調不良を印象付けたりと悲しい努力をしたことが印象深い。今、もしくは大人の世界では、「商業主義に踊らされるまい」などと申し開きすることができるが、そんな論理が通用しない頃はこんな感じで、つまり行き場がなかった。
男から見た義理チョコ論 | Excite エキサイト(というわけで義理でも何でも貰えば嬉しかった)