明日発売の「諸君!」9月号の「総力特集 ● 北京五輪 虚飾の祭典」で一文を書きました。北京オリンピックは中国の国際化などとは無関係、というのが主な論旨です。まだ見ていないのですが、久々に顔写真入りかもしれません。機会あればご一読ください。
北京オリンピックに関しては先日、週刊金曜日でも寄稿しております。両者では書いている題材をあえて別々にしましたが、主張していることは同じです。カラーの大きく異なる両誌で同じテーマで書くことができたのはとてもうれしいことです。関係者の方々にお礼を申し上げます。
ぼくは常々、中国に対して、中道、というスタンスを意識しています。個人、市民、民主、連帯を志向しているのですが、おそらくこれは体験や読書などさまざまな要因で芽生えたものに違いありません。個人的体験を別にして、発想の母胎をあえて過去に求めるとすれば。明治初期の中江兆民や大井憲太郎をぼくは意識しています(誤読だとしてもです)。大井憲太郎と言えば朝鮮革命が未遂に終わった大阪事件が知られていますが、その失敗した彼らの一派から右翼が生まれ、また左翼が生まれますが、彼らそのものは右翼でも左翼でもなく、平民主義であると思います。
そういう立脚点に立つと、現実に存在する中道はなかなか中道に思えません。たとえばNHKだとか毎日新聞だとか講談社は中道なのでしょうか、全部が全部ではありませんが、中立だと主張するものに限って、ぼくには中道と言うよりは「長いものに巻かれろ」「思想色がない代わりに力があるものが絶対」に思えてしまいます。特に中国をみる視点にそれを感じます。そんなわけで中道を実践するために、今の段階では中道とは明らかに異なると自認するスタンスの媒体で、その思想傾向を抜きにしてぼくの書ける余地がないか、そんな試行錯誤をしております。
なお以上の文章は確信度五十%程度の仮説ですので、今後随時修正していくつもりです。