食事日記
30日・・・昼食12時:四川鍋(航天橋)、夕食20時:四川鍋(望京)、夜食23時:ミートソース(麗都)、中央美術学院泊
1日・・・昼食13時:焼肉(花家地北里)、昼飲16時:水(中央美術学院新美術館)、夕食18時:水餃子(望京)、夜飲20時:コーヒー(望京)、夜食0時:シシカバブ(花家地北里)、中央美術学院泊
2日・・・昼食12時:ミートソース(中央美術学院)、夕食18時半:ダック(798、家)、夜飲23時:コーヒー(草場地、家)、草場地泊
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以上までが今回の行程の前半部分にあたります。中央美術学院に滞在し、主に現代アートの関係者と会いましたが、前回述べたように政治・社会の活動をする人たちがこの頃から身動きしづらくなったり、あるいは先にそれを見越して地方や海外に出たりしたこともあって、わりといろんな分野の方と早めに会っておきました。
現代アートは中国において殊更値段が急騰した分野ですので、バブル崩壊が言われている今、その傾向が顕著だといえます。実際にどうなっていくかはわかりませんが、値下がりは今年早々から始まっていますし、大きなアトリエに移ったことで生計に困る人も少しずつですが出始めています。そんなわけで世界経済の話題が頻出します。
大方の意見を総合すると、これまでの価格は芸術ではなく市場が作り出したものに過ぎず、少しずつ下がっていくことはむしろ望ましい、ただし急に下がっていくと困る、というものです。つい昨年まで北京では美術大学の学生ですら在学中から1枚数十万円で作品が売れたりしていましたが、こうした潮流に乗り始めた若手は苦労したり、あるいは美術から離れる人もいるでしょう。ただ、ぼくは若い人との付き合いを意識的に少なくしていますので、受ける印象もやや異なります。もともと1円にもならなかったものが気まぐれで高騰しただけで、拙著で紹介したアーティストたちはわりとあっけらかんとしています。外部環境も大切ですが、日ごろからやりたいようにやっておくことが大切だとぼくも気を引き締めます。
前にも申しましたが、ぼくは20代の頃、気さくに語り合える親しい友人の圧倒的多数が中国人だったこともあり、その当時から親しい人と会うと妙にリラックスし、他方で「自分もがんばらねば」などと身が引き締まったりもいたします。草場地で厄介になる友人もその1人で、平気で毎晩朝方まで語ったりもします。
小中学校の友、高校の友、大学時代の友、仕事をし始めてからの友、などいろんな時にいろんな人と出会ったことはかけがえのない財産ですが、20代後半からの精神的ふるさととも言える場所がぼくにとっての北京でもあります。