今日は近くの向島・稲音でうな重を食べた後、両国の喫茶店に寄って長めの読書、夜、上野に来る。
御徒町界隈はダイヤ・宝石の問屋街であるためか成り上がり風の金持ちが多い。昔の赤坂を髣髴とさせるタキシード姿の若い男や、あるいは八百屋のおやじが株で大もうけしたような年配の男がバブル美女と連れ立っている姿をよく見かける。ほかには先物取引の話をする若い営業マンの集団も見かける。自分とはまるで無縁な職業の人たちばかりだが、あまりにも関係のないことがかえって気楽で、一般会社員の少ない日曜の夜にここらへんを歩くのがお決まりのパターンと化しつつある。新宿ほどではないが、深夜もそこそこ賑わい、タクシーの行列で混み合う。酔っ払いも多く、わけもなしに怒鳴られることがある。
しかし、人通りの少ない通りとの格差が著しく、静かな所は不気味なほど静かだ。このような通りで人とすれ違うと、相手はあきらかにぼくに警戒の目線を送る(ことにカップル)。それはそうとして、ぼくが今一人で作業しているオフィスも静かな路地に面したマンションにあるが、ここはヤクザが多いのか、しばしば入口前にリムジンやリンカーン、ベンツなどが泊まっている。さきほど突然インターホンが鳴ったが、ドアを開けると誰も出なかった。ゴルゴ13で似たようなシーンがあったことを思い出す。