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ネパールには一度だけ行ったことがある。確か89年の夏だった(宇野首相だった)。
特に行きたかったわけではなくて、バングラディシュ~インド~ネパールという当時あまり紹介されてなかった陸路の遍歴をしてみたかった(バングラ~インド間が未知だった)というだけで立ち寄ったわけだが、ここも現地の人に大変世話になったところで、今でも周囲の人たちの笑みが思い浮かぶ。
ぼくはポカラという町のある民家で三週間居候しながらアンナプルナ方面などに足しげく通ったが、滞在した家のことが妙に記憶に残る(絶景も心に焼き付いているはずだが、今のところなぜか思い出せない)。確かここらへんの家は夜間も鍵を掛ける習慣がなく、「泥棒なんていないよ」と16歳の少女サラ言われたことを思い出す。トイレで紙を使う失態をしでかして水つまりを招いたが、そういうことがあっても実に温かくぼくをもてなしてくれ、カレーやモモなど、出てくる食事もどれも口に合った(カレールーの作り方をここで習った)。
ポカラの食堂で財布を忘れたが、十歳にもならないような子供の店員が百メートルあまりも走って追いかけてきて、ぼくに財布を差し出した。チップのつもりでコインをあげようとしたが、にこっと笑うだけで受け取らなかった。そうした思い出しかないのであるが、ニュースに接する限り、KAZUさんが言うように治安は悪化しているようだ。