●韓国ドラマについて
この話題は一貫して避けてきたが、そろそろここらへんで巻き込まれてやろう。
リトルカズオの発言(発端は橋田女史の雑誌インタ)などを参考に、見えつつあることをいちおう整理してみる。
①・・・韓国ドラマがある程度幅広く流行っていることは確かであり、その証拠に韓国ドラマファンには追っかけ系、なんとなく系、本格系の少なくとも三種の層が形成されている。
②・・・その層の違いにより、同じドラマに対する見方やあるいは観ているドラマ自体も微妙に異なる。それはたとえば日本音楽ファンという場合のアイドル追っかけ系とそうでない層の違いにも較べうる意味で、ある程度の普及を意味するものであり、また女性性ということには還元できぬ現象である。
③・・・ところが、日本で韓流ということが話題になる時は追っかけ系のみがクローズアップされ、その追っかけ系に対する心情が韓国ドラマおよび韓国ドラマファンの全般に及んでいっしょくたんに語られがちである。それはたとえば中国ブームなるものが今後起きた時にぼくもその中の一人に組み込まれることに近い。今回の橋田発言は明らかにその傾向がある。
④・・・③のようなことが起こるのは、もちろん日本での言論空間の問題(事柄そのものよりも流れに引きずられ情緒で納得させた気分になること)が指摘できようが、ただ③の誤解は正しくはないが、100%間違っているわけでもない。おそらく韓国ドラマファン自体は層の違いを意識しているであろうが、外部の眼からはどれも同じようなものに見えるはずで、それが誤解であることが確かだとしても根拠のない誤解ではない。つまり、韓国ドラマブームそのものが表出してしまう、ある種の日本嫌い的な、あるいは日本男性嫌い的な情緒は追っかけ系からも本格系からも(当人たちの意図とは別に)感じ取られてしまい、何を語ろうが話の中核にこれが引きずり込まれてしまう傾向がある。そういうことに便乗したのが今回のポストの作り方ではある。