昨日用があって久々に台場を訪ねたが、相変わらずの無味乾燥だった。人工的な港湾に工場のようなレジャー施設、きらびやかさだけが売り物のホテルやテレビ局も無味乾燥さに溶け込んで無機質を漂わせている。この無味乾燥さは香港の湾岸に通じるものがあり、以前九龍でわりと親しくしていた女性がことあるごとに「人工の香りがするでしょ」と、自慢するわけでも卑下するわけでもなく感嘆していたのを想い出す。
この街を魅力溢れるスポットにするならば、こうした無味乾燥さをいかに発展させるかにあるはずで、へたに土着性などを出さぬべきであろう。バスよりはモノレール、砂浜よりは防波堤、温泉よりはスパ、居酒屋よりはアメリカンスタイルのカフェの方が似つかわしく、江戸情緒よりも空港の待合室のような街に育ってほしいと思った。