最近1か月に1,2度の割合で、香港の中国語メディア「東網」と日本のヤフーの個人ニュース欄に同じテーマでほぼ同時刻に寄稿をするようにしてます。こういうことをするのは1つの挑戦と言うか暗中模索であり、本来前者では主に中国人読者を、後者では主に日本人読者を想定するのですが、同時に書くことによって互いに書く内容や言葉遣いに制限が出てきますから、前者は中国語記事らしさを、後者は日本語記事らしさを失います。そうすることで日本人でも中国人でもない一個人が書くスタイルといったものを確立できないかと、そんなふうに思っています。
ぼくは以前から日本人の中だけで中国の話をすることが好きではありませんでした。今は嫌いではなくなりましたが、常に中国人がいるものと想定するようになっています。なぜ好まなかったかと言うと、そこで話す内容は日本人だからこそわかる内容やニュアンスを濃厚に含み、実際に中国人や中国を目の前にした時に意味を成さないことがあるからです。中国人の中だけで日本や日中関係を語ることも同様で、そのため、日ごろから中国人に話す時は日本人を、日本人に話す時は中国人を思い浮かべながら話すことが必要だと思っています。それを実践するために日本語、中国語で同じテーマで書くわけです。
このような方法と翻訳の違いについては、ぼんやりと違うとは思うのですが、まだはっきりしないので、いつかまた報告いたします。
以下はその例です。
東網の連載は毎週月曜日発表です。今回は第91回
「大彈壓政策完全失敗了」です。
また、ヤフーでも上記に対応する日本語記事を書いています。
ヤフー個人:「習近平の大弾圧政策は失敗だった:中国を見つめ直す(11)」
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その他の掲載です。
4月17日発売の新潮45・6月号でジャ・ジャンクー監督作品『山河ノスタルジア』のレビューを書きました。
北海道新聞5月1日号朝刊で『指紋と近代 移動する身体の管理と統治の技法』(高野麻子著、みすず書房)の書評を書きました。