カンボジアに行かないか、との話があり、行くかどうか決めていないのだが行くとしたらはたしてどのような所なのかと思う。
東南アジア方面に行ったのは一度きり、1990年にタイ、ラオスにわりと長期間行った。タイではノーンカイという国境の街に近い農村の農家にいたが、紫がかった赤土と連日の豪雨と晴れ渡った後の紫がかった夕空が浮かぶ。食事は竹篭に入ったモチ米とパパイアの葉と目玉焼き、確か一ヶ月あまり毎日朝昼晩がこれだった。ご飯が出ることもあったし、違う野菜が出ることもあったがおぼえてない。なぜパパイヤだけをおぼえているかと言うと、その家ではパパイヤが植わっていてたまにはぼくが葉をとったからだ。その村は男女とも出稼ぎに行く人が多く、ここらへんではわりと豊かだった。バイクに乗る少年少女が多かった。
どういうわけかこれまでタイを書く気にならなかったのだが、カンボジアの話をきっかけに書くとしたらいったいどのようにとらえるのがいいか、などと考え始め、気まぐれに事項の羅列をしてみた次第である。タイトルに(序)、と入れたが、続きがあるかはなんともいえない。