8月終わりからベランダの唐辛子を熟れた実から干し始め、もはや収穫する実がなくなった頃に冬がやって来る。初めの頃に獲った実は3ヶ月以上も風にさらされて深みにある色に変わってきている。南東北に大雪が舞ったという報せともども、師走の到来を感じる。

師走といえば、炬燵とみかんと、緑茶の取り合わせが頭に浮かぶ。炬燵は8畳間ぐらいの和室にあって、その和室とは自分の家ではなくて、東北かどこかの裏さびれた地方都市の駅前旅館だったりする。なぜそういう光景がしっくり来るのかはわからないが、必ず浮かぶ光景がこれで、たとえばぼくは下積みのミュージシャンと旅していたりする。