1999年と言えば「北京芸術村」や「旅の指さし会話帳」を出した頃で、そんなに昔のことのように思えないのだが、もう7年も経つのだなと少し驚いた。ぼく自身も周囲も社会もそんなに変わっている感じがせず、ただただ年月が経っている。
98年頃まで、放浪とも引きこもりとも言える生活を長年送ってきた頃に較べると、99年以来、ことに最近はいつも何かにせかされているようで、慌ただしく一日一日が過ぎているようにも思う。もしかすると一日の体感の長さは長いのかもしれないが、えてしてそういう時は何年か前を振り返ると時間の速度に驚かされることになる。
ぼくをも含めた社会を見ると、99年から今まで何かが変わったというような感慨はほとんどない。今あることの多くが90年代、もしくは80年代に予定されていたことのような気がするし、一目正反対に思えること(たとえば80年代と今における左翼の扱われ方)も、時代の感覚としてはずいぶん前から予想されていたし、何を考え、思うかは別にしてそのように行動する処世が備わっていたように思う。
今は目先の課題をこなすだけなのだが、あんまし早く時間が経ってほしくない。